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昭和16年末/隣組会話(上)

「週刊朝日(昭和16年28日号)」の記事の転載を続けます。
昭和16年末マレー沖海戦勝利直後の
麹町一番町隣組での光景を女性記者(主婦?)が
描いたものです。
(現代表記に改めた上、レイアウト適宜編集)
===
「一億一心この決意」
(城 夏子)
一億一心この決意

感謝貯金

 何しろ世界史未曾有の歳末である。
ラジオは朝から晩まで皇軍の輝かしい戦果を
くり返し報じている。
あんまりうれしくって同じことを何度聞いても、
何度も何度も聞きたい。
 新しい決意が力強くおなかの底から湧き上がり、
胸が一ぱいになってしまう。
「今だ」と思う。
「戦費」という字がキラリと閃く。
相手は世界の富を自在に操る大国である。
 この大きな戦いの始まった今が今まで、
一年中最も誰もが豊富にお金を持っている時であるとは
何と幸であろうか
 十二月十日、全世界の目をみはらせた奇跡が
マレー半島岸に展開された時ーーつまり
英艦プリンス・オブ・ウェールズ号が
わが海の荒鷲のため
撃沈された
という報の伝わった時、
わが大蔵省貯蓄奨励局には
大そう頭脳敏活な人がいたと見えて、
「この喜びを記念して、さあ、熱のさめないうちに
一つ感謝貯金というのを各方面に募らう」
ということになった。
誰だって、あの踊り上がるような戦果を聞いて、
兵隊さんに感謝の心に燃えたたない人はいないだろう。
少々無理をしても、持ってるお金を戦費に!と
投げ出したくなるのが、人情である。
そして、今はボーナスの時機。

「貯金の通帳にしろ、再建にしろ、
 それに感謝貯蓄とでもいうラベルをはるなり、
 スタンプを押すなりして、
 今日のこの大きな喜びをはっきり
 記念しておくんですな。
 それで、この喜びの記念貯金は、
 月々というのではなく、
 一時に、今、この喜びの熱の高まった時、
 特別のものとして頂くんです。
 出来る限り多く。
 すると、普通の貯金と異なって、後日、
 そのスタンプなりラベルなりを見れば、
 おいそれと引出したり売ったりする気には
 なれませんね。」
と貯蓄奨励局の氏家さんは得意になる。
「それにしても、一家の貯金は何といっても
 主婦の腕次第なんですから、この際、
 婦人の方にはうんと積極的になって
 いただきたいものです。ところが、
 そう申しては失礼ですが、やっぱり
 どうも御婦人方は
 時局意識に
 乏しいんじゃありませんかな。
 わたしも、こんなことではいけないと思って、
 このごろはつとめて家内に、講演会などには
 聞きにいかすようにしています。
 しっかりと時局を認識していれば、
 五十銭のものをかうのでも
 そこに考えが出て来るはずです。」

 それから氏家さんは、家計簿を上手につけて、
予算を科学的に組み立てることが、貯金を
生み出すもっともよい方法でしょうといわれた。
家計簿をつけるといっても、今までのように、
ただ何を何銭買ったとつけただけでは何にも
ならないであろう。

「とはいうものの、一家の主人も決して
 家計簿を主婦任せにしない、主婦一人に
 責任をおつかぶせないことですな。
 わたしなども、この節では月に一ぺん位、
 家内と協力して家計簿をのそいてやっていますが。」

 氏家さんはずい分思いやりのあるご主人である。
そしてさすが貯蓄奨励局の御本家だけあって、
氏家さんのお宅では、まづイの一番に
この年末は感謝貯蓄を、
御夫婦と六人の子宝部隊の面々とがなさり、
そのほかに、昨年は百二十億だった国民貯蓄額が、
百七十億に上がったのだから、それだけ
去年の暮れよりは多額を貯蓄されるそうである。
まことに、一家強力百七十億への行進譜である。

働く隣組

「女には時局意識が乏しいだの、
 女は無力でのっていわれてますけど、
 女には案外これで大きな力が
 かくされているんじゃありませんかしら。」
と まるい眼をパチッとみはって、
一人のおくさんがいった。
「そうですよ。っしてそんな女の方が二人、
 三人と、戦力すれば、更に更に、
 どんな戦闘をも突破出来るものですね。」
とそのお隣のご主人がいった。

(【下】に続く)
======
以下、氏家氏に反撃が続きます!
家計簿、貯蓄、無駄遣い
あぁ、なんて、身近な言葉でしょう!!
真珠湾攻撃、マレー海戦当時の
一般市民の巷の会話なんです。
この「普通さ」が、心に刺さります。

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テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

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マロ、こんにちは

>誰だって、あの踊り上がるような戦果を聞いて、
>兵隊さんに感謝の心に燃えたたない人はいないだろう。
>無理をしても、持ってるお金を戦費に!と
>投げ出したくなるのが、人情である。
 ああ、「戦時」だね。
 現代日本人には違和感が先に来るけど、、戦時下では当然の感情なんだよね。
 米国共和党副大統領候補のペイリンが、軍人だけが国のために貢献しているような言い方をしていたのを、これで思い出したわ。

>わたしなども、この節では月に一ぺん位、
>家内と協力して家計簿をのそいてやっていますが。」
  うわっ、氏家さん、現代ならかなりうざい夫だわ。

 それにしても、この女性記者、「城夏子」なんて、何だか芸名みたいね。
 戦争中でも身だしなみにソツのない、化粧ばっちりの女性を思わず想像してしまったわ。


madu~~

ありがとよ~ん☆
そうそう、氏家、うざいよねっ!!
こーゆー男とは結婚したくないと思ったよ。
城夏子、ほんと、宝塚かって感じ(笑)
ただ、外見は、今一つのような。当時の主婦っぽい...
眼鏡とったら、madu~の同級生みたいな顔になるのか???

この戦果に対する反応って
なんだか、サッカーW杯とかオリンピック的だよね。
そんなのりだったのかもしれないなぁと思うよ。
感謝貯金とか言ってるくらいだし、余裕満々(笑)
じゃ、下も読んでね。これから入力するから~

これだけの

記事をタイプするのにケータイでもできるなんて、マロさんすごすぎる。
私はケータイで文字を打つのがすごく遅いので
これだけの技術を持つマロさんにあこがれました。。。

N☆4

いや,さすがに,これはマックで打ったよ。(笑)
確かに日本のケータイ,死ぬほど入力しにくい。
気が狂うかと思った。
だから,QWERTYキーボードのスマフォは不可欠だよ。
コンピューター並に打てるよ。




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